インプラント治療を医者に相談する患者

インプラントはまだ40年ほどの歴史しかない新しい分野の治療法ですが、その間に技術は急激に進歩して来ており、普及率も徐々に高くなってきています。
インプラントが初めて日本に入ってきたのは1960年頃となっており、当初はインプラントに対する悪いイメージが先行していたこともあり、日本に入ってきてからも普及が進みませんでした。

インプラントは今までの治療法と違って顎の骨に土台となるネジを植える治療が必要となるために、歯に対する処置だけでは終わらないということで、人々の拒否感が強かったのだと思われます。
顎の骨を触る処置が必要になるため、歯科だけでなく口腔外科の知識も必要となります。
日本に入ってきた当初は医師も今ほどは技術を身につけておらず、試行錯誤の中で技術を身につけていきました。

頬に手を当てる女性 インプラントは一般的には切開をした部位に埋入するという方法で行われています。
メスを使って切開すると聞いただけで痛みが強いのではないか、という心配をする人が多いようですが、麻酔を用いて行うので、痛みに関しては心配する必要はありません。
特に最近では無痛で行われるインプラント治療も増えてきており、麻酔をかけて寝ているうちに処置が終わってしまっていたということが多くなってきています。

無痛の治療法の中にはメスを使わず、切開をせずにインプラントを埋入するものがあります。
これはノーベルガイドという方法で、施術前にCTの画像をコンピューターの画面上で手術のシミュレーションをさせて、正確に埋入ができるようにするものです。

ノーベルガイドの流れとしては、CT撮影した画像から3D画像を起こし、それを元にして手術のシミュレーションをして埋入の位置を決定します。
次にマウスピースのようなもので、正確な埋入位置までガイドしてくれるものを作成します。
手術当日はガイドを使って埋入を行えば切開をしなくても、処置が行えます。

こうした方法が普及してきてからは、今までの手術時間よりも短い時間で終了させることができるようになりました。
また切開をしなくて済むことで安全性が増し、出血量も少なくすることができるので患者さんの負担も少なくすることができます。

インプラント治療はこのように変化してきており、今までは手術に伴う苦痛がありましたが無痛治療ができるようになったことで、インプラントに対する抵抗がなくなったという人も増えてきています。
今後さらに技術が進歩してくれば、今以上にインプラントが普及していくでしょう。

インプラントが失敗したらどうなる?

失敗したらと考える女性 インプラントは顎の骨にネジを埋め込み、それを土台にして新しく歯を作る治療法です。
そのため、最も重要なのが土台となる部分で、埋め込んだネジがしっかりと固定されていないと、新しい歯の機能が生かせません。
インプラントはチタン製で骨に密着させておくことで、自然と骨と癒着するという性質を利用して作られています。
しかし、埋め込みを行っても予定通りに癒着が起こらない時には、インプラントが抜けてしまうというトラブルが起こります。
こういった種類のトラブルはインプラントが日本に入ってきた当初によく見られていましたが、近年では技術が向上したことにより、こういった失敗の数は少なくなってきています。

他にはインプラントには問題はなくても、癒着させた骨の状態が悪くなっていると骨が溶けてしまい歯茎に炎症が起こることもあります。
そうなると歯茎が腫れてしまったり、出血を起こすこともあります。
症状が進行すると脱落を起こす可能性がでてきます。

上の歯のインプラントを作る時には、上あごの骨が薄いために、手術でインプラントを埋入する時に骨をつき破ってしまうことがあります。
そうするとインプラントが上顎洞という場所にはまり込んでしまった状態になるので、手術をして取り除く必要があります。

インプラントは骨に直接固定させる方法なので、十分な厚さの骨があることと、骨の密度がしっかりとしていることが必要です。
しかし、骨の状態がインプラントに適していない時には、歯茎からインプラントがはみ出てしまう失敗が起こります。
これはインプラントと癒着した骨が溶けてしまった時に起こると考えられています。

またインプラントはトラブルなく成功できたとしても、その上のかぶせ物がとれてしまうといった失敗もあります。
1回や2回ならばよくあることですが、それ以上に何度も起こるような時には、どこかに具合が悪い場所があるということでしょう。

インプラントがなんらかの原因で抜け落ちてしまった場合には、癒着させるだけの骨が残っていれば、再度インプラントをすることができます。
しかし、骨が十分に残っていない時にはブリッジや入れ歯といった別の方法で治療をする必要があるでしょう。
デリケートな治療法なので、こういった失敗をなくすためには、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。
歯や骨の状態を診るだけでなく、適切な技術と材料、管理が重要なので、失敗をしないようにするために慎重に治療を進めていきましょう。